伊藤 髟耳:著
小さな4~5歳の時、まわりの大人から褒められ、絵を描いていたと思います。
絵本があり、画用紙があり、クレヨンがあったから描いていただけです。
高校の時は勉強が嫌いで絵に逃げていただけです。
85歳まで、絵を描く事をやめなかったのは不思議です。
その絵からいつの間にか、教えてもらいながら人として成長させてもらったのです。教えてもらう身であるならば素直に受け止めて、ものを良く見る努力はしていたつもりです。見れば見るほど見方の足りなさに気付きます。
60歳を迎える頃に脳内出血、左半身が固まり動きにくく、痛みがありました。
今は左で良かったと思います。絵が描けます。
絵を描く事は自分の身体を動かす事と思っています。
また、自分が描いている自然物、生命体には、螺旋と揺らぎの動きがある事に気付き、そこから表現してゆこうと思っています。動きを表現した時、絵は生き生きとしてきます。
日本画の場合、紙、筆、岩絵具を使います。岩絵具の場合、絵皿の中で接着剤を混ぜながら指を使い練る、手で絵具を使ってゆくのです。
この段階から自分の身体を使い動かしています。
写生から始まり、小下図、大下図を作り、それを本紙に念紙取りをします。
岩絵具の発色を生かすため、同じ色を重ねてゆきます。日本画独特の絵にするためには時間がかなり必要です。
日本画は私の性格まで変えてくれました。
こつこつと諦めない性格にしてくれたのです。
画像は伊藤髟耳氏(高校三年生時)の作品
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